村のこと

移住交流スペース・やまんなか5年間の軌跡。地方移住に大切なこととは?

2021年5月1日

南山城村・田山地区には

「移住交流スペースやまんなか」

という、施設があります。

そこには「移住交流推進員」という
役場の臨時職員がいて、

移住希望者と空き家のマッチングから
村内外の人の集いの場となっています。

 

2017年のオープンから丸4年。

これまでの経緯や
やまんなかの存在意義、
軌道にのるまでの工夫などを

移住交流推進員の
野崎弘之さん(通称・のじゃさん)と、

スタッフの山﨑桃子さん(桃ちゃん)
お話しを伺いました。

村に関わりたいと思う方、
あるいは地域活動を始める際の
参考になるお話しが
たくさん聞けました!

取材日  2021.4

 

移住交流スペースやまんなかとは?

写真・左がやまんなか。隣に郵便局があり、人の往来の多い場所にあります。

南山城村・田山地区にある行政の施設。

移住促進、空き家の紹介、村内外の人を繋げるイベントなどを行なっています。2017年5月オープン。


住所:〒619-1421 京都府相楽郡南山城村田山上フケ
電話:0743-94-0666

営業日:水・金・土の10:00〜16:00
※祝日・お盆・年末年始はお休み

HP:https://murapura.com/
facebookページこちら

やまんなかのスタッフ紹介

役場の臨時職員として、やまんなかの管理や空き家紹介、移住希望者の窓口、イベント企画などを行っています。

右)野崎弘之さん(通称・のじゃさん)
移住交流推進員
2016年4月〜在任

左)山﨑桃子さん(通称・桃ちゃん)
やまんなか運営スタッフ
2018年5月〜在任

 

南山城村に「やまんなか」が出来るまで

ーまずは「やまんなか」が出来た経緯を教えてください!

のじゃさん:ここは南山城村の初代村長のご自宅で、村に寄付してもらった物件。最初は「お試し住宅に」という案もあったんだけど、思った以上に小さくて…。2016年春に自分が移住定住推進員として来たんだけど、まだ、どうしようかなっていう段階でした。

当時メンバーだった楠瀬さん(2019年3月に卒業)と話し合い、お試し住宅は失敗例も多いことから、外から南山城村に来る人が気軽に出入りできるような場所になった方がいいんじゃないかってことを考えたよね。地元の人と移住者が交流できるような場所をおぼろげに考えてて。

キッチンスペースは充実させようとか…料理教室したり、料理の得意な地元の人が何かふ振る舞うようなことができないかなと。ここは役場の施設だから、営利なことは難しいので、村民交流といった企画やイベントができるようにと設計してもらいました。

古民家の趣きを残した内装。空き家から出てきたものや寄付されたものがあちこちに。2階は和室になっています。

キッチンスペースはイベントや、料理のうまい村人が腕をふるう場となっています。

コンセプトは「村のファンを作る場所」

のじゃさん:ここのコンセプトは「村のファンを作る場所」。村人も村外のファンも一緒に取り込んじゃって、もうみんな村人にしちゃう!っていうような考え方。

コロナ前は、大きなイベントを月に1回やってて、一度来てくれた人がまた2回目・3回目と来れるようにしたかったんだ。
まさしく「関係人口を作るための施設」っていうことをずっと意識しながら、この運営してきてる。

各地から視察も多く訪れています。

加えて、移住してきても地域の方と交流が上手くいかずに1年・2年で去ってしまうっていうケースが全国的によくあるから。それをなくすために大事なのは移住者が一体何の目的で来たのかっていうのを地域の人が理解してあげること。そして移住者も、地域の人を知らないとね。この人はお茶農家さんなんや、この人何してる人なんやって…地元の人と会って仲良くなると、それだけで暮らしやすくなるから。

これまで別の場所で地域おこし協力隊を2回やってきたから、絶対そういう場所にしないと駄目だなと思ったんだ。だから施設名を付けるときも「移住交流スペース」って、交流」を入れることにはこだわったね。

もともと南山城村には移住者が多かったけども、移住者の力って大きいじゃない。どこの自治体にとっても、よそ者って大きいから。だから、やまんなかに来てくれる地元の人っていうのは、よそ者の力をちゃんと認めてくれている人が多い。

そういうよそ者を歓迎してくれる村人たちが、ちょこちょこ来てくれるようになってきたよね。

ふらっと来て、お話しして帰っていく人も多い。

縁側でおしゃべりする村人も。

ー2016年春からのじゃさんが来て、施設のオープンはいつですか?

のじゃさん:やまんなかのオープンは2017年5月。

テープカットや、くす玉を割ってってイベントしたね〜。そのオープニングの日に僕がプレゼンテーションもして。村長も副村長もいたし、あと議員さんも何人かいらっしゃったし、区長さんたちも集まってくれた。あとここを寄付してくださった元村長の御子息の方も来てくれて、お話したのね。「こういう使い方をしてもらえて嬉しい」って喜んでくれていたよね。

2017.5.6 やまんなかオープン

「やまんなか便り」で活動を伝え、理解してもらえた

やまんなか便りは役場HPよりご覧になれます

のじゃさん:やっぱり最初は「あいつら何やってるかわからん」という声があったから、「やまんなか便り」っていうのを毎月発行して、村内に全戸配布しています。ここの成果とか、こんなことやってんねんっていうのが見えなかったんだろうね。

表面はイベントの告知がメインで、裏には僕が活動報告を書くようにしたの。色んな人がやまんなかに来てます、こんなイベントしました〜とか。ここの場所を活用して、こんな人たちが来てますっていうのを村民が見れるように意識しました。…実は読んでくれている人、多いんよ〜。

桃ちゃん:読んだ人が「この写真はどこやったんや」って聞きにくる(笑)

のじゃさん:そうそうそう!あの物件どこや、とか。(笑)

それを書くようになって、空き家の問題とか、移住とか移住者の案内とか、活動内容が見えるようになったから、村民さんから、やまんなかに対する不信感はなくなってきた気がするな〜。

それと、土曜日も開館することにはこだわったね。やっぱり村の人は見てるから。土曜日も空いてるなって見ていてくれている。

桃ちゃん:移住相談しようと思ったら、役場は土日は開いてないしね。

赤ちゃん・子ども連れもウェルカム!おもちゃや本など、寄付されたものもたくさんあります。

空き家リノベーションに挑戦した1年目

小屋作りワークショップの様子。

ーのじゃさんが来た頃のイベントって、最初はDIYテーマでしたよね。空き家の片付けとか、リノベーションしたりとか。私も参加しました。

のじゃさん:人が集まるイベントとしてDIYとか、自分たちで何かをする、直そうみたいな・・・そういったのが、めちゃくちゃ流行るちょっと前だったよね。

桃ちゃん:最初は使えない空き家が多くって。なんとか空き家バンクに登録できるようにしていくためDIYをイベントにしていたんだよね?

のじゃさん:とりあえず一つ、空き家をリノベーションしたって成功事例を出そうって目標を立てたんだ。で、当時貸してくれたのが1軒しかなかったんだけど。とりあえず、参加者を募って床を張ったり、壁を塗ったりしたよね。

まだ僕らが来てすぐで、空き家に対しての動き方をする専門の要員が来ましたって言っても認知度がないし、空き家バンクもなかったから。それが今は「やまんなか便り」で知ってくれてる人が多くなってきたよね。

空き家の片付け。村内外からボランティアを募りました。

床貼りの様子。大工さんの指導を受けながら、古民家をリノベーション。改修された物件は現在、村の企業が使っています。

ーのじゃさんの空き家知識がすごすぎます!どこに空き家があるかって聞いたらすぐ返事がくるから・・・

桃ちゃん:どんな人が持ち主さんかも、一番把握してるよね。

のじゃさん:村の空き家バンク契約アドバイザーの方とよくミーティングするの。アドバイザーさんが次の現場までの空き時間に、よくここに来てくれてね。よく情報交換してるの。アドバイザーさんの存在も大きい。

桃ちゃん:いろいろな条件が揃って、ここがうまくいってるって実感します。

認知され始めた5年目

ー最近は移住希望者が増えているんでしょうか?

のじゃさん:それは村だけではなく、世の中がこのコロナで、田舎へのニーズが高まってる感じ。でもやまんなかが認知されてきた実感があるよね。村の空き家バンクも始まって4〜5年になるから、認知されてきている。

桃ちゃん移住の問い合わせは平均・月1〜2件くらい。
空き家バンクを見てからここに来たり。あとは知り合いが家を探してて、紹介も多いね。知り合いの知り合いがこの辺でいいのあったらって・・・この前も村人が友達を連れてきてくれたよ。

のじゃさん:村に移住した人って、空き家バンクや、やまんなかを通じて移住した人ばかりじゃないからね。不動産からいい物件買って、いつの間にか住んでいるケースも多いな。

やまんなかに関わる人は、村外の人もウェルカム!むしろ境界線を決めずに、とりあえず村に関わってくれればいい。そういう場所なってきたかな。

 

ー続けてきたからこそ、ですね。

桃ちゃん:私は2018年の春からここで働いているんだけど、やっぱり最初、のじゃさんと楠瀬さんの2人で始まって、何が正解かもわからず、色んな意見も聞きながら続けてきてくれて・・・今はここに関わった人が、またその友達を連れてきてくれるっていう段階になってきた。村の人でも「知ってるけど、まだ行ったことない〜」みたいな人を連れてきてくれたり。

今はコロナだから、村の人に来て欲しいなと思って、家に眠っている着物の交換会とか小さなイベントをやっています。

ーコロナ前は毎月どんなイベントをしていたんですか?

桃ちゃん:前任の方が、できるだけ村のものを使ったイベントを企画されていました。趣味で養蜂をしている村人のミツロウで手作りバームとか、村の茶農家さんの和紅茶作り、しいたけ狩りをして村のお母さんに郷土料理を教わったり。野草の会や特産品の柿渋で染物もやっていました。

童仙房のレストラン・山のテーブルでランチとブルーベリー狩りのツアーは好評やったみたい!これは村の人も参加してくれて…野殿とか童仙房って実は行ったことないから行きたいって申し込んでくれたの!

野草料理のイベントの様子。

ー桃ちゃんもイベントがきっかけで、やまんなかに来たって聞きました。

桃ちゃん:当時は村外で仕事をしていて、村には寝に帰っている感じだったんだけど。確か、トミヤマさんの柿渋染めのイベントを知って、染め物をやってみたかったから参加して。それまでは、やまんなかの認知はしていなかったね。

ー村にイベント自体、少ないですしね。

その後、ランチ会にも参加して、その場でたくさん知り合いができて!もう村人の名前、全然覚えられへんくって!ランチ会がきっかけで、村の人と交流が始まったかも
ランチ会も「何やってるかわからへん」って言う人もいるけど、1回来ると地元の人と仲良くなれて、リピーターもいますよ♪

ー普段は出会わない人と会える場所ですよね。

桃ちゃん:住んでるだけだど、全然知りあえなかった人がいっぱいいるもん!

ランチ会の様子。コロナ前は毎月開催していました。

村のお野菜や、村人の手料理がずらり!

移住に大切なこととは?

ー最後に、移住に興味がある人に何かメッセージをお願いします。ここに来る前に準備しておいた方がいいと思うとか・・・

のじゃさん:南山城村以外にも、いいところはいっぱいあるから、まずはあちこち見た方がいいと思う!あちこち比べてみて「ここの職員さんの応対が一番良かった」ってことで移住してくれた人もおった。「いろんなところ行ったけど、南山城村の対応が一番フレンドリーでした」って。物件が安かったのもあるかも知れないね。

桃ちゃん「誰がいるところに住むか」っていうのも大事やと思う。周りに頼れる人がいるかとか。まずは一回来てみて下さい、人に会って、判断材料にして下さいって思うな。やっぱり人は大事やな。

ーありがとうございました!

館内には南山城村や各地域への想いが掲示されています。

まとめ・村と関わる入り口となる場所

2017年にオープンした、移住交流スペースやまんなか。

私自身もよく訪れますが、「移住したい!」といった、はっきりとした目的がなくても、受け入れてくれる温かい場所に育っています。南山城村を知る入り口としてオススメです^^

ちょっと寄ってみるだけ・・・のつもりが、どっぷり村の魅力にハマる可能性もありますがw

※写真の一部は、むらぷらfacebookページから引用しました。

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奥西しろ

グラフィックデザイナー・イラストレーター。南山城村・田山地区にデザイン事務所たまごトラベルを開設。現在は村外に住み、二拠点を満喫中。1児の母。

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