今回の「村人図鑑」は
大阪から田山地区に移住された
児島さんご夫妻!
夫・正之さんと
妻の理恵子さん
(通称りえさん)に
お話を伺いました!
2016年に移住後、
南山城村の暮らしを満喫され
TV番組「人生の楽園」にも出演!
そして2021年3月には
自宅の離れに手作り作品が並ぶ
ギャラリー「手しごと和み」を
オープンされました!
児島さんご夫妻の暮らしぶり、
村への思いを前後編に分けて
たっぷりご紹介します!
取材日:2021年6月
大阪から南山城村に
移住したワケ
ーそもそもお2人は生まれも育ちも大阪のご出身ですか?
正之さん:僕は生まれは京都の伏見。
りえさん:私は東京なんやけど、3歳までやから全然覚えてないし。その後は大阪市内です。
ーもともと田舎で育ったわけじゃないんですね。
正之さん:うん、都会ばっかり。結婚してからは大阪の門真に住んでいました。
ー田舎に行きたい願望があったんですか?
正之さん:僕は両親が宮崎出身だったんで。夏休みにはしょっちゅう宮崎に帰ってた!宮崎は海もあり、山もあり、川もありで。クワガタとったり、ガチャガチャ虫を採ったりね、色んなことをしたで。それで大人になってからも仕事で疲れたってなったら、こういう自然豊かなところによう行っとったな。
りえさん:若い時からそうだったね。小さいときの体験はよっぽど良かったんだろうね。
正之さん:門真に住んでた時も、ちっちゃい子供4〜5人連れてセミ取り行ったりとか。それも手作りの網を作ってね。レジ袋に針金をずーっと通していって、輪を作って、竿に巻いて。釣り竿って伸びるから虫取り網の棒にしたの。それでポンってやったらセミが入るから。子供たちにどんどんあげてたな〜。セミが籠いっぱいになってたで!
そういう自然の遊びが好きやった。だから田舎は大好きや。
ーりえさんはそういう田舎好きな旦那さんで、嫌ではなかったですか?
りえさん:移住は全く本気にしてなくて!休みの度に、美山とか滋賀の高島とか行ってて、それで癒されて、私もそういうのは好きやから。まさか(移住が)実現するとは思ってはなかったけど。笑
正之さん:もしかしたら滋賀に住んでたかもわからんな。滋賀はしょっちゅう行ってたもん。
りえさん:南山城村は全然知らなかったね。
ーなぜ南山城村だったんですか?
正之さん:ネットで見てね。はじめは丹波篠山の方に行ってて、古民家を3軒ぐらい見て。ほんまは茅葺の家が欲しかったけど、だいぶ朽ちとったから諦めてん。かなり傾いてるのもあって。空家になって、ほったらかしなんやろうな。草もぼうぼうやから、これは無理やなって。
りえさん:予算的にもそんなに良い物件はなくてね。
正之さん:で、たまたまネット見てたら、南山城村ええやんってなってな!不動産屋に一軒目は村内の別の場所を紹介されて。で、2軒目がここ。平家で南向きで。
りえさん:私が気に入ってしまってね。前が雑木林でね、ここいいなぁって。
正之さん:離れも風が入ってたもんな。やっぱり不動産屋は「早めに決めないと」って言うから。とりあえずここにしようかーって。
ーそれは何年前ですか?
正之さん:5年前の2016年に引っ越してるから、その前の2015年。
ー空家になってすぐで状態が良かったんですね。
正之さん:空いて1年ぐらいかな。
だから傾きとかありませんって不動産屋は言ってたな。でも何もない0の状態での移住で、僕らはもう60歳前のとき。トイレも外で、お風呂も外。これは大変やろうから、二人でどうしようかって相談して直してもらったんや。
で、1箇所直してもらったら、こっちも気になるなみたいな、少しずつ直してもらって。
ー部分的にリフォームをかけたんですね。
正之さん:でも、こんな風にギャラリー(手しごと和み)をしようとは全然頭にはなかった!とりあえず住めるように母屋だけリフォームしようかって話になって。
りえさん:今はギャラリーになっているけど、前は納屋で、いっぱい物を置いていたり、手付かずやったから気になっていたけど資金がいるので…。
ーその後、ギャラリーをするとなってリフォームを?
正之さん:うん、床は全部コンクリート貼ってもらってる!壁も綺麗にして…珪藻土やで。なんせ村は湿気が多いやん。
りえさん:前なんか新しい畳にしたばかりなのにカビが生えてて!
正之さん:びっくりしたな!慌てて業者に電話して。新しい畳にカビが生えるなんて知らんかったから!生えるもんやったから初めから言うといてよ、って;大阪では新しい畳には生えない;
そんで去年、除湿機を買ってな。ものすごい湿気が溜まんねん;
憧れのTV番組からオファーが!
ーTV番組「人生の楽園」に出たのはいつでした?
正之さん:放送が2018年の5月19日やったかなぁ。あれもびっくりしたなぁ!役場から電話がかかってきて。「人生の楽園(テレビ朝日)」からオファー来てるけどどうする?って。ちょっと前に「むらぷら」の取材を受けてたから、それを見てTV局から連絡が来たみたい。
で、リサーチの人がいてて、何回も電話かかってくんねんな。もうしょっちゅう・・・ほんで撮影に誰を呼ぶかってなるやん。
りえさん:周りの人から嫌って言われるかなと思ったけど、意外といいよって言ってくれて。村で親しくしてもらってる人に出てもらって。
正之さん:外されへんって人に出演依頼をお願いしてな。「人生の楽園」って、僕なんかずっと録画して見てた番組やから。まさか自分が出るとはって。
りえさん:(田舎暮らしは)そういう番組に憧れた面もあるんじゃない?
正之さん:だからここ来てかなり変わってんな、友達もだいぶ増えてたしね。
南山城村に来て変わったこと
ー村以外の友達も増えたんですか?
りえさん:そやね。村で知り合ったり、やまんなかで知り合ったり。京都市内の人とはおうちに泊まったり、遊びにきてって交流もあるんです。
ー他に大阪のときと比べて変わったことあります?
りえさん:友達を連れてみたらめっちゃ喜ばれて!家の上にちょっとした空き地があって、そこに椅子持って上がってウェルカムティーしたら、感動されたの!
正之さん:何気ない、この場所やけどな。
やっぱり、ゆったりしてるん違うかな。もう朝起きたらホーホケキョが鳴いて、鳥のさえずりがすごいし!今やったら蝶々がいっぱい舞ってるしなぁ。門真では考えられない風景!
やっぱり自然が多いっていうのはいいなぁ。
こういう蔓なんかも、嫌われ者やんか。でもそれを自由に持って帰ってと言われることもすごい。ほんまに!そんなんでリース作ったりするから、何ぼでも持って帰りやーって!それは得やなぁ。材料費は無料やんか。そういうこともあって、趣味も増えてる。色んなものをもらってる。野菜も山菜もそうやんな。色々と研究したなぁ。
りえさん:わらび採りもしたよね。
正之さん:ふきのとうはうちも採れるけど、御近所さんが「採っていいよ〜」って行ってくれるから、ふきみそ作ったりなぁ。もうちょっとしたらミョウガが取れるし!
りえさん:それも嬉しい。大阪ではミョウガなんて食べたことなかった!
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正之さん:自分で採ったの食べれるってね、そんなことあるんだなって。
今年一番びっくりしたのがシジュウカラが来てん!たまたまもらった巣箱を置いといたら、そこに来るようになってな。さらにシジュウカラを目掛けて猫も来るw
巣立つときはびっくりしたなぁ。始めは親が飛んできて、次に2〜3匹がぎこちない飛び方してるなぁって。ずっこけたり、枝から落ちたり。そしたら、りえが巣立ってるでって。
りえさん:ちょうど出かけてて帰ってきたら、巣立つ場面を見れてね。
正之さん:びっくりしたした!嬉しかったなぁ。巣だったらもうけえへんやんか、寂しいなぁって。その子供がまた来年きたら嬉しいけどね。
あと、この辺りはネコだけでなく、たぬきなんかU字溝をのっしのっし歩いていて!びっくりするよなぁ。
りえさん:狐も歩いてたなぁ。
正之さん:面白いし、楽しいなぁ。ここキジも居てんねんか!都会では味わえへんこといっぱいしてるよなぁ。だからだいぶん変わったよ。
気になる買い物事情
ー一方で、不便な事も多くないですか?
正之さん:そうやな、買い物とか病院とか。今はずっと2人一緒に行動してる。
りえさん:私が今は運転してないの。思う時に出かけられないのは歯痒いんだけど、それもあって息子が自転車くれて。せやけど、いくら電動自転車でも伊賀までは行けないからね。せいぜい行っても田山の東山商店さんかな。
そんで買い物は一緒に行くけど、じっくりは見れへんから…不便と感じるのはそれぐらい。
正之さん:俺は買い物でもすぐ選ぶけど、女性は買い物が長い…だからそこらに座って待っとくんだけど。それが男性と女性と違うところかな。だから買い物に行ったら別行動。
ー買い物はどこに行きます?
正之さん:大阪に行くついでに寄れる四條畷イオン。やっぱり服を買うのは大阪だなぁ。最近、野菜は買ってないよ、もらうから。
ーお肉とか足りなくなりませんか?
正之さん:そうやな。でも肉も食べる回数減ったわ。
あとは、この時期は草刈りばっかりだな!道沿いや裏庭も刈らんなん所あるし…。
ー草刈り機は買いましたか?
正之さん:草刈機、買った!でもな、うちは植木がいっぱいあるから、よう(植物を)切ってしまう…大事なものなのに;草ボーボーになりすぎると分からなくなるから;
でも、草刈機なんて都会では使わへんもんな。ここは地域で草刈りする時も、みんな草刈り機持ってるもんな。すごい光景!
りえさん:家買うとき「お隣に草刈機借りようかな」って不動産屋さんに言うてたら「買ってください」って;やっぱり自分のとこで草刈機は持っておかんとね。
村人との交流は?
ーご近所づきあいは特に問題ないですか?
正之さん:えぇ人ばっかりやなぁ!この辺って親戚ばっかやんか。だから、「ちっちゃい時に、この家の押し入れに閉じ込められてん」って、昔話も聞けるのが面白いよな。
ほんで、みんなよう来てくれんやんか!興味津々!家見して〜って…女の人は特にすごい!どんどん入ってきはる。男の人はそんなに来ないけどな。女の人はちょくちょく来はるやん。
んで、知り合いになったら今度は野菜持ってくてくれるからなぁ。そのまま入って〜って。お茶飲んでもらって。
りえさん:ギャラリーしてから来てくれた人もいるよね。
正之さん:そんで今度はその人がまた紹介してくれる。ギャラリーは土日オープンだけど、村の人は平日も来てくれはるもんな。
りえさん:「時計が動かへんやけど」ってね。
正之さん:もう3軒ほど時計の相談に来たよ。
ーすごい!修理屋さんじゃないでか!
正之さん:昨日もな、時計ちょっと見てくれへんか〜、直せるんちゃうか〜ってね。他にも、「こんなん作ってほしいねん」ていうお客さんも来るしね。リピーターの方も来るし。
りえさん:「こんなん作れへんか」って、みなさん、それぞれに考えてきてくれはって。…こんな事、面白いな〜ってね。
正之さん:そう、それがまた面白いねん!
自然と人との繋がりを
楽しむ村暮らし
児島さんのお話し、
いかがでしたでしょうか?
村の暮らしを本当に
楽しんでいる様子が
伝わったら嬉しいです^^
後編では、2021年3月にオープンした
ギャラリー・手しごと和みについて
ご紹介していきますね!
お楽しみに〜^^
(続く)
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